煩悩の滝

煩悩を叫ぶ日記。私は元気に腐ってる!!!

善次くんお借りします/玉川しぇんな

いやこれめっちゃいい。unlimitedやけど読んだ後すぐポチった。2人の葛藤の苦味と青春の甘酸っぱさが絶妙でこれは作家買いするべしってなるやつ。

まるまる一冊、善次くん(表紙左、受け)と花岡(表紙右、攻め)の2人の話。野球好きなじーちゃん孝行をするために恵まれた体格が欲しかった善次と、特に好きでもない野球が上手くなるごとに余計な事が増える花岡。それぞれの葛藤が、お互いを通して消化されていく。

 

葛藤の背景も、苦悩する最中も、とても丁寧に描かれていて痛いくらい伝わってきた。もー描くのうますぎるよね〜。だからお互いに向き合い受け止めて消化されていく様子が見れてよかった!救い!!!特に善次は全然コンプに思う必要がないのに辛い思いしてたから本当によかった。コンプになるなんてじーちゃんの意図するとこではなかっただろうから、根幹から解消されるといいなと思う。幸せになって欲しい。花岡の葛藤は球児あるあるなんだろうか、、大人の欲しい答えを言わせようとしてるんだろうかとなんかちょっと申し訳なくなったり…。でも部員とか監督とか理解者がおる環境でよかった。

2人が惹かれていくのは葛藤面と変わってきゅんきゅんしっぱなし。花岡は善次にがんがん心開いててもはや好きが漏れてる。だだ漏れてる。善次はまた難儀に男を好きになるってことは自分って…って悩むけど、しっかり抜いてるあたり完全な男の子やん。可愛いわ。寝言で花岡を呼んで弁解するシーンはもう、めちゃくちゃきゅんきゅん止まらんかった〜いやーここで完全に善次に落ちた。視聴覚室での暴露大会もさ、健気すぎん?なんてこと言わせるの…もー作者さんセンスが天才的。

2人が付き合ってからどんどん善次が救われていくのが心の底からよかったーーー!って叫びたい。祖父の視点からは(見えてたかも知らんけど)伝えられずコンプになってしまった善次の姿が、周りの人からの言葉で自身を認められるようになっていく様子が、本当によかったなあとうるっときた。そうだよ、君ってすごいんだよ!もっと自己評価高く持てるようになってもっともっと幸せになっておくれよ!!!心の底から善次が幸せになって欲しいと思ったし、ただただ幸せな2人がいて後輩くんとわいわいしてる平和で甘々な続きがめちゃくちゃ読みたい。